また振りかぶって投げる
真木は盗塁しなかった。
富岡「真木。なんで?」
真木は黙って見ていた。
球は同じコースに157km
パアアアン・・・
瀬戸がまた球をとった。
瀬戸「だから危ないって
なんで暴投するねんな」
蓮「あれ?そういう事か
・・・瀬戸。気づけよ」
また振りかぶって投げる
158kmのストレートだ。
さっきよりも高かった。
瀬戸「高いって。あかん
これは捕れへんわっ・・
あかん・・・負けや」
瀬戸が球を捕れなかった
ガンッ!!
瀬戸「えっ?」
審判「ぶっ・・・つっ」
審判のマスクに当たった
審判は後ろに倒れて球は
横に転がっていった。
瀬戸が球を拾いにいった
橋本「あースッキリしたぁ
でもこれで負けが決定か。
みんな・・・ゴメンな」
松田「別にいいっすよ。
なんかスッキリしたし」
全員同じ気持ちだった。
当ててスッキリした。
瀬戸「なんでやねんな・・
こんな大事な場面で・・」
瀬戸は少し嬉しそうだった
ロバートが勝負を捨てて
瀬戸の怒りを優先したから
試合に私情をはさまない
ロバートがルールを曲げた
その気持ちと行動が
とっても嬉しかった。
荒木「これはチャンスか」
荒木がホームへ走ってきた
真木「戻れぇ。荒木ぃ~。
ホームには行くなぁ~」
真木が大声で叫んだ。
怒声のように叫んでいた。
荒木「真木・・・?」
荒木が3塁へ戻っていく。
徳報は全員沈黙をしていた
瀬戸「・・・なんでや?
なんで走らせんかった?」
橋本「あいつ・・・まさか
誤審に気づいてたんか?」
真木「これでチャラや。
あの誤審は無しにしてや」
真木は誤審がわかっていた
その誤審が原因で試合を
捨ててほしくなかった。
この試合をこんな形で
終わらせたくはなかった。
王者のプライドだった。
真木「富岡。打ってくれ。
お前の一振りで荒木を
ホームへ返してくれや」
真木が富岡を応援した。
最後の全てを富岡に預けた